更新日:
2023/10/18

増えている理由は?

なぜここまで老老介護が増えているのでしょうか。老老介護が発生する原因を詳しく見ていきましょう。

増えている理由は?

平均寿命と健康寿命

原因の1つとしてまず挙げられるのが、平均寿命と健康寿命の差です。平均寿命はその名の通り「何年生きられるのかの平均値」ですが、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されず生きられる期間」を指します。日本では、2020年時点で平均寿命と健康寿命の差が男性で8.84歳、女性で12.35歳もあり、何らかの介護を必要とする期間の長い高齢者が数多く存在します。平均寿命が伸長したことで長生きする親世代が増えましたが、それと同時に子どもも年を重ねるため、65歳以上の子どもが親の介護をするケースが増えているのです。

生活スタイルの変化

生活スタイルが以前とは大きく異なる点も老老介護が増えている理由として挙げられます。核家族化が進んだことで親と同居する家族が減少し、女性の社会進出によって日中ずっと家に人がいる状況も少なくなりました。そのため、子どもが親の介護をすることが難しいケースも少なくありません。その場合、親同士で介護をすることになり、それが老老介護につながります。また、近年は晩婚化によって育児と介護の両立も難しくなっています。子どもが親の面倒を見ることができず、老老介護が発生しやすい状況に陥っています。

介護保険制度の限界

介護保険制度は家族が介護をすることを前提に策定された制度です。そのため、介護保険サービスの中に日常的な家事の援助は含まれていません。しかし、高齢者にとっては日常的な家事も大きな負担となります。老老介護では、要介護者に対してだけでなく介護者を含めたサポートが求められます。配食サービスや介護者のケアなどが必要ですが、介護保険制度の創設時から利用者は3倍も増えており、さらに今後も利用者が増えていくため、財源不足が大きな課題となっています。

経済的な理由

高齢者のみの世帯における貧困問題についても考えなければなりません。生計を年金だけに頼っている世帯も多く、経済的に余裕がない状況です。民間の介護サービスを利用できない一方で、安価で利用できる特別養護老人ホームは入所待ちになっています。経済的な理由で老老介護の限界を迎えた際に、子どもが介護のために仕事を辞めるとしても、今度は子どもの家族に経済的な影響が及びます。

まとめ

以上が、老老介護が増えている理由です。これ以外にも、介護されること自体に抵抗を覚える高齢者も多く、その場合は介護サービスを利用せずに身内に介護を頼みます。その結果、夫婦間での老老介護になってしまうなど、課題は山積みの状態です。

最新の記事

未経験でも挑戦できる!