更新日:
2023/10/15

日本における現状

まずは日本における老老介護の現状を知りましょう。日本がどういった状態にあるのかを把握した上で、介護士として何ができるのかを考えてください。

日本における現状

老老介護とは

老老介護とは、高齢者が高齢者の介護をしている状態を指します。65歳以上の高齢者が該当し、夫婦だけでなく親子間でも老老介護は発生します。65歳以上の子どもが、自分の親の介護をするケースです。なお、75歳以上の高齢者が介護をする状態を超老老介護と呼びます。日本は高齢化が進んでおり、それに伴い介護年齢も上昇しています。

老老介護の割合が増加している

現在日本は4人に1人が65歳以上の高齢者であり、老老介護の割合は年々増えています。2001年時点で老老介護は全体の40.6%でしたが、2015年時点で54.7%まで増えました。2019年には59.7%まで増え、要介護認定を受けている480万人のうち287万人が老老介護の状態となっており、状況は深刻化する一方です。この先も老老介護の人口は増えることが見込まれるため、国として早急な対策が求められます。また、75歳以上の超老老介護もすでに全体の30%を超えており、介護年齢の上昇に歯止めがきかない状況です。

介護期間も長期化している

老老介護について考える際のポイントとして、介護期間の長期化も1つの課題として挙げられます。2021年度の生命保険に関する全国実態調査によると、介護期間は「4~10年未満」が最も多く31.5%です。続いて「10年以上」が17.6%、「3~4年未満」が15.1%となっています。全体の傾向として「5~10年以上」の長期間で介護をしているケースが多く、その理由として挙げられるのは健康寿命と平均寿命に差が生じている点です。健康寿命とは医療・介護サービスを必要としない年齢を指すもので、2019年の時点で男性が72.68歳、女性が75.38歳です。一方、医療・介護サービスを受ける人も含める平均寿命については、男性が81.41歳、女性が87.45歳です。つまり、平均寿命は長いものの、介護を必要としてからの期間も長いため、それが結果的に老老介護につながっていると考えられます。日本は他国と比較しても非常に高齢者の割合が多い高齢化大国です。医療技術が進歩し、長く生きられる基盤が整っているのは喜ばしいことではありますが、それと同時に少子化も進んでいるため、これからも増え続ける高齢者を支えるための体制作りが急務です。その中でも介護士は特に重要な役割を担うポジションといえるでしょう。
生命保険に関する全国実態調査のデータについては、以下のサイトでダウンロードできます。その他の調査結果を含めた詳細を確認したい人は参考にしてください。

最新の記事

未経験でも挑戦できる!